iPadを売る前にすること|データ移行から初期化までの手順

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iPadを売る前の準備を、データの引継ぎから初期化まで順番に解説します。Apple AccountのサインアウトやSIM・eSIMの扱い、ロック解除の確認はもちろん、初期化できないときの対処まで分かります。

iPadを売る前にすることとデータの引継ぎ

初期化はデータと回線を引き継いでから

買い替えや使わなくなったiPadを手放すとき、「初期化だけすればいいのかな」「大事なデータが消えてしまわないかな」と迷いますよね。先に残したいものを移しておけば、落ち着いて初期化へ進めます。写真はもちろん、手書きのノートやアプリの中のデータも、必要なものから順に確かめておきましょう。

画面操作ができる個人所有のiPadなら、準備は次の順番です。iPadには、Wi-Fiだけで通信するモデルと、SIMやeSIMで携帯回線も使える「Cellular(セルラー)」モデルがあります。Wi-Fiモデルなら、回線まわりの作業は飛ばして進められます。

順番準備対象
1必要なデータを移す・保存する残したいデータがある人
2回線の移行または解約を済ませるCellularで回線を利用中の人
3サインアウトと端末の消去を済ませる全員
4消去・ロック解除と同梱物を点検する全員

消去には端末のパスコードやApple Accountのパスワードを求められることがあります。認証情報が分からない場合は、先にこの記事の「iPadを初期化できないときの対処」へ進んでください。

バックアップしたデータは消去前に確かめよう

買い替え先のiPadがあるなら、クイックスタートやバックアップからの復元でデータを引き継げます。移行が終わったら、新しい端末で必要な写真やファイルを開き、使い続けたいアプリにもアクセスできるか確かめておきましょう。

買い替える予定がなくても、iCloudやパソコンにバックアップを残せます。写真や書類だけを残したいなら、それらを別の保存先へコピーする方法もあります。バックアップを残す場合は最終成功日時を、同期やコピーで残すデータは保存先の内容を確かめてから消去へ進んでください。

iCloudの「同期」と「バックアップ」の違いに注意!

ここで気を付けたいのが、iCloudの「同期」と「バックアップ」の違いです。iCloud写真を使っている写真など、すでにiCloudへ同期されている情報は、iCloudバックアップとは別に保存されています。「iCloudを使っているから全部残せた」と考えず、残したいデータの保存先を確かめておくのがおすすめです。

売却準備では、写真や連絡先を1件ずつ消さずに、端末全体の消去を使いましょう。iCloudへ同期したまま手動で削除すると、ほかの端末やiCloudからも消えてしまいます。必要なデータを残した後に端末を消去すれば、iCloudに保存されているコンテンツは削除されません。

iPad売却時のSIM・eSIMと回線の手続き

Wi-Fiモデルなら回線の作業は不要

Wi-FiモデルのiPadには、SIMカードを抜いたりeSIMを消去したりする作業はありません。そのまま次のサインアウトと初期化へ進めます。

Wi-Fi + Cellularモデルでは、本体のSIMトレイと「設定」の「モバイルデータ通信」を確認します。SIMカードが入っていれば引渡し前に抜き、eSIMのプランが登録されていれば売却端末から消去します。SIMカードとeSIMの両方を使えるモデルもあるため、カードを抜いただけで終わりにしないようにしましょう。

SIMトレイがないCellularモデルもあります。トレイが見つからないときは、カードを探すより先に「設定」の「モバイルデータ通信」でプランが登録されていないかを確認してください。通信方式はモデルや購入した地域によって変わるので、トレイの有無だけで判断しないようにしましょう。

なお、次の持ち主が使えるようにする「アクティベーションロック解除」は、通信事業者の回線利用に関わる「SIMロック解除」とは別物です。SIMロックを解除した端末でも、Apple Accountとの紐付けは残ります。紐付けの方は、このあとのサインアウトと消去でまとめて外せるので、順番に進めれば問題ありません。

eSIMの削除だけでは回線契約は終わらない

iPadからeSIMを消しても、それだけでは回線契約の解約にはなりません。SIMカードを抜いた場合も同じです。利用中の回線がある人は、端末を消去する前に、その回線を使い続けるかどうかだけ先に決めておきましょう。

新しい端末でも使うなら、契約先に合った転送や再発行の手続きを先に済ませます。新端末で通信できることを確かめてから、売るiPadのSIM情報を取り除けば、途中で回線が使えなくなる事態を避けやすくなります。

回線をもう使わない場合は、通信事業者で解約の手続きをします。すでに解約済みの人や回線を契約していない人に、あらためて解約の作業は必要ありません。端末に残るeSIMは、次の初期化の際に消去する選択肢を選んでください。

転送や再発行といった回線側の具体的な操作は契約先ごとに違うため、利用している通信事業者の案内で進めましょう。

iPadの初期化とApple Accountのサインアウト

Apple Accountそのものを削除する必要はない

iPadを売るために、Apple Account(旧Apple ID)そのものを削除する必要はありません。ほかのiPhoneやMacで使うアカウントは残したまま、売るiPadからサインアウトできます。

「探す」を有効にしているiPadには、持ち主の許可なく使われるのを防ぐアクティベーションロックがかかっています。通常の端末では、本人の認証を使って次の売却用消去を完了すると、このロックも解除されます。「探すをオフ」「ロック解除」「初期化」を別々に繰り返すのではなく、サインアウトから消去までの流れを完了させましょう。

Apple Accountのパスワードが分からないときは、無理に初期化を進めず、先に本人でパスワードを取り戻しておきましょう。やり方はこの記事の後半でも説明しているので、そちらから進められます。パスワードが必要な場面を、お店の人に代わりに解除してもらう前提にはしないでくださいね。

売却用の初期化は「すべてのコンテンツと設定を消去」

売却時に使うのは、写真やアプリを含む端末上の情報を消す初期化です。似た名前の「すべての設定をリセット」ではコンテンツが残ってしまい、売却用の消去にはなりません。選ぶ項目を間違えないようにしましょう。

まず「設定」から自分の名前を開き、画面下の「サインアウト」を選びます。その後に出る文言はOSによって少し違いますが、やることは同じなので、お使いの環境に近い方を見てください。

  • iPadOS 26以降では「このiPadを消去」または「消去せずにサインアウト」が表示されます。売却のために「このiPadを消去」へ進み、サインアウトするアカウントの確認が表示されたら「iCloudとストアからサインアウト」を選び、消去を完了させます。
  • iPadOS 18以前では、サインアウト時にApple Accountのパスワードを入力し、「オフにする」を選びます。その後、下の設定画面から端末を消去します。

「消去せずにサインアウト」を選んだ場合など、サインアウト後もデータが残っているときは、次の順番で消去します。サインアウトの流れですでに端末を消去できた場合は、同じ作業を繰り返す必要はありません。

  1. 「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」を開く。
  2. 「すべてのコンテンツと設定を消去」を選ぶ。
  3. 求められたパスコードやApple Accountのパスワードを入力し、画面の案内に従って消去を完了する。

eSIMを使っている端末では、eSIMも消去する選択肢を選びます。使い続ける回線の移行が済んでいることを確かめてから進めてください。

古いiPadを使っている場合、iOS/iPadOS 14以前では「設定」→「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」と、少し経路が変わります。さらに古いOSではサインアウトの場所も分かれますが、「サインアウトしてから端末全体を消去する」という流れは同じです。表示が違っても、設定アプリの中から近い項目を探してみてください。

「こんにちは」画面とロック解除は分けて確かめよう

消去後に「こんにちは」の初期設定画面が表示されたら、端末内のデータを消す作業は一区切りです。ホーム画面や以前のパスコード入力画面が出る場合は、売却用の消去が終わっていません。

一方、消去済みでもアクティベーションロックが残る場合があります。とくにパソコンで復元した端末や遠隔消去した端末は、「こんにちは」が出たことだけで準備完了にしないでください。

紐付けが残っていないか確かめる場合は、インターネットに接続して初期設定を進め、以前の持ち主のApple Account情報を求められないか確認します。その認証を求める画面が出たら、まだ解除が必要です。持ち主本人がAppleの公式解除手順に沿って処理しましょう。ここではロックの確認にとどめ、自分のアカウントの登録やバックアップの復元はせずに終えます。

消去後は、使い続ける別のApple製デバイスの「設定」→自分の名前、またはApple Accountの管理ページで、デバイスの一覧も確認しておきます。売るiPadが一覧に残っていたら、そのiPadを選んで「アカウントから削除」を選べば外せます。この確認は、端末の消去を終えた後の作業です。

iPadを引き渡す前の付属品と梱包

SIMカードと私物は手元に残そう

データの準備が終わったら、SIMカードの抜き忘れと同梱物を点検しましょう。物理SIMを使っていた人はカードを取り出し、SIMトレイ自体は本体へ戻しておきます。

箱や正規のケーブル・電源アダプタが残っていれば、本体と一緒に用意します。ただし、もともとの付属品はモデルや出荷時期によって違います。充電器がないことだけで一律に欠品と考えたり、別のモデルの箱を代わりにそろえたりする必要はありません。

ケースや保護フィルムの扱いは、売却先によって変わります。査定のときに外して処分する店もあるので、残して使いたいケースは先に外しておき、保護フィルムは利用する店舗の扱いに合わせましょう。

Apple PencilやMagic Keyboardは、iPad本体の正規付属品とは別の商品です。一緒に売りたい場合も、本体の箱へ入れるだけで自動的に査定されると考えず、別の商品として買取申込に含めるか、売却先の受付方法に合わせて用意してください。

AppleCare+に加入している人は、保証契約の扱いも済ませておきましょう。解約するか、新しい持ち主へ移行できる場合があります。ただし月払い・年払いのプランは移行できないので、その場合は解約を選びます。加入中のプランに合わせて、売る前に手続きを済ませておくと安心です。

手入れは軽く済ませて画面を守ろう

売る前の手入れは、指紋や表面のほこりを軽く取る程度で十分です。ケーブルを外して電源を切り、糸くずの出ない柔らかい布でやさしく拭きましょう。必要なら布を少し水で湿らせ、端子などの開口部に水分を入れないようにします。

落ちにくい汚れを強くこすったり、家庭用洗剤や研磨剤を使ったりすると、画面のコーティングを傷めるおそれがあります。とくにNano-textureガラスのディスプレイは、付属のクロスで拭くなど専用の手入れが必要なので、無理にこすらず軽く汚れを落とす程度にとどめましょう。

宅配で送るなら、画面と角を緩衝材で保護し、丈夫な箱へ入れます。箱の中で動かないように隙間を埋め、ケーブルやアダプタが本体へ直接ぶつからないように分けて包むと、配送中の傷を防ぎやすくなります。買取店から梱包材や箱の指定がある場合は、その方法に合わせましょう。

本体が膨らんでいる、異常に熱くなるなど、電池の損傷が疑われる端末は、使用や充電を続けたり、そのまま通常の宅配へ出したりしないでください。作業を止めて、Appleまたは正規サービスプロバイダへ状態を伝え、安全な対応方法を決めましょう。

引渡し直前は完了状態を点検しよう

持ち込む前や箱を閉じる前に、次の状態になっているかを点検すると、やり残しを見つけやすくなります。回線やSIMの項目は、利用していた人だけで構いません。

  • 残したいデータの移行・保存が済み、バックアップの完了または保存先の内容を確認できている。
  • 端末が消去済みで、以前の持ち主へのアクティベーションロックも解除できている。
  • 利用中だった回線の移行または解約が済んでいる。
  • 売る端末にeSIMを残しておらず、物理SIMも抜いてある。
  • 私物と売る物を分け、申込内容と同梱物が合っている。

途中で止まっている項目があれば、その準備を済ませてから引き渡しましょう。初期化や認証を進められない場合は、次の原因別の対処から、自分の端末に合う方法を選べます。

iPadを初期化できないときの対処

パスコード忘れとアカウントのパスワード忘れは対処が違う

初期化の途中でパスワードを求められて止まってしまっても、慌てなくて大丈夫です。画面を開くパスコードを忘れた場合と、Apple Accountのパスワードを忘れた場合では、次にする作業が変わります。まずは何の入力で止まっているのかを確かめれば、自分に必要な手段を選べます。

パスコード忘れでは、条件を満たすiPadに表示される「パスコードをお忘れですか?」などから、端末を消去できます。「探す」が有効で、ネット接続とApple Accountのパスワードが必要です。利用できない場合は、MacまたはWindowsパソコンでリカバリーモードにして復元する方法があります。どちらも端末のデータが消えるので、必要なバックアップがあるか先に確かめてください。

ただし、パソコンで復元できても、アクティベーションロックの解除は別に必要になる場合があります。端末を消せたことと、次の持ち主が使えることは分けて確かめましょう。

Apple Accountのパスワードを忘れた場合は、すでにサインインしている自分のiPhoneやMacなど、信頼できるデバイスでパスワードを変更できるか試しましょう。使えるデバイスがない場合も、Appleのパスワード回復手順から本人の認証を進められます。アクセスを回復してから、売るiPadのサインアウトと消去へ戻ってください。

画面を操作できなくても遠隔消去を使える場合がある

画面を操作できないiPadや、消去せずにすでに手放したiPadでも、「探す」を設定していた端末なら遠隔消去を使える場合があります。持ち主本人がiCloud.comの「デバイスを探す」にサインインし、対象のiPadを選びます。

  1. 対象のiPadで「このデバイスを消去」を選び、消去を依頼する。
  2. 消去完了のメールを確認する。オフラインなら、次回オンラインになるまで消去は始まらない。
  3. 消去が完了した後、「このデバイスを削除」を選んでアクティベーションロックを解除する。

遠隔消去では、データを消した後も保護のためロックが残ります。通常の端末内消去とは違い、消去完了後のデバイス削除まで進めて、はじめて次の持ち主が使える状態になります。上の順番どおりに「このデバイスを削除」まで済ませましょう。

電源が入らずオンラインにならない端末では、消去を予約してもデータはまだ消えていません。消去前にデバイスだけを削除して、準備完了にしないでください。未消去のまま引き渡さず、本人の認証や端末の状態についてAppleのサポートを受け、消去できる方法があるか確かめましょう。

会社や学校の管理が残る端末は管理者の手続きが先

会社や学校が管理しているiPadは、個人所有端末と同じ手順だけで売却準備を終えられるとは限りません。管理を受けている端末では、組織側の設定やロックが残ることがあります。

「リモートマネジメント」など組織の管理を求める画面が出る場合は、一般の初期化を繰り返しても解除できません。企業・教育機関が所有する端末は管理者側の手続きが必要になるため、所属先のIT部門や管理者へ連絡しましょう。組織の所有物か、個人へ譲渡済みかも含めて確認し、必要な解除や返却の手続きを進めてください。