遺品整理で大量の着物を見つけたら?遺産相続になる?
「年配の方が亡くなられた後、遺品整理をしていたら大量の着物が出てきた」という事例が少なくありません。
遺産相続との兼ね合いや、処分方法についてまとめました。
遺品整理で見つけた着物の扱い方
「遺産相続」と「形見分け」の違い
遺品整理をしていて着物を見つけた時、多くの人が「相続の対象になるのか?」という疑問が浮かびます。
着物は購入すると高価なものが多く、遺産相続となって相続税がかかるのではないかと心配が出てくるからです。
そもそも遺産相続とは、亡くなられた方の財産(遺産)を次の世代の人に受け継がせる(相続)ことです。
相続する財産は経済的な価値のあるものが該当し、相続税の課税対象にもなります。
預貯金や不動産の他に、自動車や株、ゴルフ会員や著作権といった各種権利、骨董品、美術品、宝飾品なども含まれます。
遺品整理で見つかった着物に現在も経済的な価値がある場合は、遺産相続となる可能性があります。
もしも、亡くなられた方の着物に経済的な価値がないと判断されれば、その着物は遺産相続の対象にはなりません。
あくまでも、次の方へ形見分けとして渡すことができます。つまり、遺品整理で見つかった着物が相続の対象になるかどうかは、経済的価値の有無によって異なるという事です。
着物が遺産相続になるかはどうやって決める?
遺品に経済的な価値があるかどうかを判断することを、財産評価と言います。
この評価の基準は国税庁で定められており、この評価を基に相続税が決定されます。
財産評価はかなり難しいものなので、基本的にどなたかが亡くなられた場合は、税理士に相談するのが一般的です。
現在の価値で4~5万円以上する着物がある場合は、相続の際に相談した方が良いでしょう。
遺品の着物はプロの鑑定を
着物が相続財産として該当するかどうかは、現在の価値で評価されます。
購入時に高価だった着物が、現在も同じ価値を維持しているとは限らないからです。
一般的に、着物は正絹でできているため劣化も起こりやすく、購入時よりも価値が下がっている事がほとんどではありますが、中には希少価値が高まり、購入時より高価になっているものもあります。
特に、高級百貨店のたとう紙に包まれている着物、証紙つきのもの、裏地に作家のサインが入っている着物は高価な可能性があるため要注意です。
遺品の着物の価値を調べるためには、専門家の査定をしてもらわなければなりません。
もし高価な着物がある場合、プロの目で見た評価の見積もりや意見書を提出する必要があるからです。
この専門家の査定として、着物買取を利用することもできます。
買取店の査定士は、長年着物査定のプロとして価値を判断してきていますので、その評価は十分信頼に足るものと言えます。
また、遺品整理で着物は見つかったが欲しい人がいないという場合は、そのまま買取店に売って現金化し、それを遺産として分けるという事も可能です。