着物の査定基準を明確化!高価買取になりやすい着物はどれ?
着物を少しでも高く売るためには、査定でどのような点を見られているのかを知っておくことが大切です。
着物の査定士が必ず確認する視点を調査し、買取前に気を付けたい注意点をまとめてみました。
着物の査定は難しい!サービスを選ぶコツ
「古い=安い」ではない着物の査定の奥深さ
着物以外の買取サービスでは、発売直後が最も買取価格が高く、時間が経つにつれて徐々に値段が下がっていくのが一般的です。
しかし、着物や帯は何年も前に買った物であっても価値が残っていたり、むしろ価値が高くなってく着物もあるため、一概に古いかどうかだけで判断することはできません。
着物はただの衣類ではなく、骨董品や古美術品と同じ様に芸術としての価値を見出せる品物もあるため、査定がかなり難しいジャンルだと言われています。
そのため、着物買取は他のジャンルに比べて、査定士の鑑定眼の高さが必要とされています。
価値を見極められないお店や担当者に当たってしまうと、高く売れるはずの着物を安く買い叩かれてしまうことになりかねません。
着物買取を利用する際は、買取の経験と実績が豊富で、しっかりと価値を見出してくれるお店を選ぶことが非常に大切です。
高く売るならフリマやオークションはNG
最近では、いつでも手軽に個人で出品できるフリマアプリやネットオークションで着物を売る人も増えてきていますが、高価買取を期待したい方にオススメできる方法ではありません。
そもそもフリマの場合は、着物の値段をつけるのは自分自身なので、「多少なりとも売れれば良い」と考えて、市場価値よりも安い値段で出品してしまうことが多々あります。
また、オークションの場合は落札者が買いたい値段をつけますが、そもそも安く購入するために利用するサービスですので、本当の価値に沿った金額で入札してくれる事はほとんどないのです。
そのため、着物に見合った値段で売りたいという方は、専門の査定士が常駐している着物の買取店で査定してもらうのがベストです。
特に、宅配買取なら無駄な時間や手間をかける必要が無く、さらに最も高く売れる可能性があるため、着物を売る時には一度は利用しておきたい方法です。
どんな物が高く売れる?査定の6つの評価基準
1.素材査定:「正絹」の価値が圧倒的!
着物は正絹でできているものが一般的ですが、その他にも麻、木綿、ウール、化学繊維など様々な素材の着物が販売されています。
買取の査定の中で、最も値段が高くつくのはやはり正絹の着物です。
正絹とは、絹(シルク)100%でできているもののことを指し、昔から着物素材の代名詞となっています。
購入価格は少々高めになりますが、他の素材に比べて圧倒的に高級さが感じられ、手触りや着心地も良いため、振袖、訪問着、留袖、長襦袢など様々な種類で一番人気があります。
市場で最も需要のある素材ということは、着物買取でも査定額が高くつくため、高価買取を狙うなら外せません。
ちなみに、着物に使われる正絹は、「匁(もんめ)」という単位で重みが表わされます。
一昔前は生糸作りの技術が低かったため、この匁が大きければ大きいほど絹をたくさん使っている証拠となり、良いとされていましたが、現在は技術力の向上により細い生糸でも丈夫な着物を作れるようになったため、年代物の着物以外は、重さによる査定の変化はさほど気にされません。
むしろ、着物は衣類であり、軽い方が快適に着られるとあって、薄く、軽く、丈夫な正絹の着物が最も高く売れる傾向にあります。
2.種類別査定:「訪問着」が最も高く売れる
当サイトでも「着物の種類と格付け」で紹介していますが、着物には様々な種類があり、着用する場面に応じて向き不向きがあります。
査定の視点から着物の種類を考えると、訪問着が一番高価買取になりやすいと言われています。
一見すると、華やかで購入価格の高い振袖が一番高く売れそうですが、未婚女性しか着用できず、レンタル振袖も増えてきているため、実は振袖の買取価格は2番目です。
むしろ、未婚者・既婚者問わずに着用でき、幅広い場面で着用することのできる訪問着の方が高く売れる可能性があります。
訪問着は着用機会が多く、売りたい時に何度か着用したことで劣化が進んでしまっている場合もあるので、着物買取を利用する際は早めに査定をしてもらった方が安心です。
3.サイズ査定:標準~大きめが有利
着物を反物から仕立てる場合、着用する人の身長と身幅に合わせてオーダーメイドで作ります。
また、既製品の着物を買う場合でも、着用時にきつくなりすぎたり生地が余りすぎたりしないよう、サイズの合うものを購入したり仕立て直しを行います。
そのため、表面的には同じサイズで作られているように見えても、仕立てた時の対象者が異なると、微妙にサイズの違いが出てきます。
実は、着物の査定ではこのサイズについても見られており、基本的には標準~大きめサイズの方が高く売れるようです。
標準体型であることを前提に、女性ものであれば150~160cm前後、男性であれば160~170cm前後の身長の人用に作られた着物が「標準」として考えられていますが、この範囲であれば中古品としてそのまま売っても買い手がつきやすいため、高価買取になりやすくなります。
また、着物は仕立て直しによって小さくすることができるので、標準より大きめのサイズでも重宝され、高価買取が見込めるのです。
一方、小さなサイズはそれ以上に大きくすることができないので、着用できる人が限られてしまうことから、買取価格が安めになってしまいます。
4.ブランド査定:証紙・落款の有無が大きく影響
着物は有名な作家作品や工芸品から、百貨店ブランド、無名で安く手に入るのものまで幅広く存在します。
着物買取では、やはり「友禅」「大島紬」「結城紬」など伝統工芸品の有名どころや、重要無形文化財を保有する有名作家の着物が最も高く値がつきます。
このような着物は、手間暇をかけて精巧に作られており、着物そのものに大きな価値があるため、中古品であっても非常に高い値段で取引されています。
しかも、作家作品はその人が亡くなってしまうと新たな着物が作られなくなるため、現存する着物の価値が跳ね上がり、高価買取につながるのです。
しかし、作家作品や伝統工芸品などは購入価格もかなり高額になるため、一般家庭でお目にかかることはほとんどありません。
現実的には、三越、伊勢丹、高島屋などの老舗百貨店で作られたオリジナルの着物が査定の狙い目です。
古くからある百貨店では、そのブランド力を落とさないために非常に品質の良い着物が作られてきたため、中古になってもその価値が高くあります。
また、百貨店ブランドは今なお人気があり、作家作品よりも安心して手に取りやすいという購入者の心理も相まって、査定額が高くなりやすいのです。
5.流行査定:10年以内のデザインはプラス評価
ファッションに流行があるように、実は着物にもその時々によって流行があります。
例えば、今の中高年~ご高齢の方が若い時に販売されていた着物の多くは、クリーム色やパステルカラーなどの淡い色味で、光沢感の強いのが特徴です。
しかし、現在の流行は比較的しっかりとした色味の着物で、柄がはっきりとしており、着物自体の主張が強いものが多いです。
このような市場の流行も査定のポイントとなるため、一般的には10年以内の着物の方が売りやすく、高く買取ってもらえる可能性があります。
特にノーブランドの着物の場合は、流行によって価格が左右されやすいため、早めに買取に出した方が良いでしょう。
また、柄は流行が最も表立って表現されやすい部分ですので、買取査定の時にはいつの年代でも着続けられる古典柄も評価が高くなります。
10年以上前に購入した着物であっても、古典柄のものであれば高く売れる可能性がありますので、諦めずに査定に出してみましょう。
6.状態査定:綺麗であればあるほど高価買取に
着物買取では高級な着物だけでなく、比較的手ごろな着物であっても高い評価を得ることができます。
そのためには、保存状態が非常に大切です。
買い取られた着物は、ほとんどの場合が中古品着物として再販されます。
そのため、買取店や販売店があまり手をかけなくても再販出来るような綺麗な着物であれば、プラス査定になるのです。
正絹の着物の場合、着用時のシミや汚れ以外にも、紫外線や照明による変色や虫食い、経年劣化なども起こりやすいため、保管期間が長ければ長いほど状態が悪くなっていきます。
少しでも高く売るためには、不要になった時点で出来るだけ早めに買取ってもらうのが得策です。
ただし、特殊なサイズ(大きすぎる、小さすぎるなど一般人の体格に合わないもの)は、保存状態が良くても買い手がなかなかつかないために、少し値が落ちてしまうようですので注意しましょう。
正絹以外の着物や状態の良くない着物を売りたい時は?
着付けの練習用や習い事のお稽古用などの用途として、正絹以外の着物を購入される方も多くいらっしゃいます。
また、長く保管をしていたら、知らぬ間に着物の状態が悪くなってしまったというパターンも少なくありません。
そのような場合、他の着物とまとめて査定に出すことで、値を付けてくれることがあります。
1枚だけでは値段がつけられないものも、複数枚まとめてなら多少評価をしてくれる買取店も多いため、素材や状態に不安のある着物を売りたい時は、1点でも多く着物や帯、和装小物などを一緒に査定してもらいましょう。
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