着物買取で喪服は売れる?
不要になった着物の中で、特に困ってしまうのが「喪服」です。
遺品整理などで出てきた喪服は、着物買取で売ることができるのか調べてみました。
喪服はどう処分する?着物買取の喪服の取り扱い
いらない喪服が困る理由1.今は洋装が主流
着物を日常的に着ていた時代は、喪服はもちろん和装でしたが、今や葬儀での服装は洋装が主流になってきています。
参列者は略礼服で伺いますのでもちろん洋装ですし、今は家族や親族であっても洋装であることがほとんどです。
特に、高齢になると足元が不自由な方も多く、着物の喪服では動きづらいということもあり、あまり見かけなくなりました。
そのため、着物の喪服を着用する機会がほとんどなく、遺品などで残されていても保管場所を取るだけになってしまっています。
いらない喪服が困る理由2.着られる人が限定される
喪服とはその名の通り、「喪に服している」ことを表す衣装です。
着物で作られた喪服は正装として扱われ、格式が高くなりますので、遺族でないと着ることができません。
さらに、着物の喪服は正装として作られるため、家紋が5つ入っています。
そのため、その家紋を持つ家系の人でないと着ることができませんので、葬儀で必要となった方にお貸しするということができないのです。
また、女性の場合、一般的には「女紋」といって嫁いでも結婚前の家の家紋で喪服を着ることができますが、最近では嫁いだ先の地域や家の考え方が強くなり、「結婚後の家の家紋でないとダメ」と言われる方も増えてきたため、より一層喪服の需要が減ってきているのです。
着物買取で、着物の喪服は売れるの?
このように、作られた着物の喪服が出てきても、実際にはあまり着用できる場面が多くないということから、着物買取で喪服を売りたいという方が増えてきています。
着物買取を行っているお店では、喪服の買取も行っているという買取店がほとんどです。
また、紋付の喪服や喪服用の和装小物であっても問題なく買取ができますので、安心して利用できます。
着物の喪服には紋が付いているのが普通ですので、紋付だからといって、買取価格が下がるわけではありません。
他の着物と同様に、買取査定をしてもらうことができます。
ただし、注意をしたいのが「白の喪服」です。
18代目中村勘三郎さんの葬儀の際、奥様の好江さんが着用されたことで注目されましたが、昔は白い喪服が主流だったため、遺品などで白い喪服が残されていたということもよくある話です。
もちろん、着物買取では白の喪服であっても買取してもらうことができますが、白い着物生地は傷みや汚れ、黄ばみなどが目立ちやすく、経年劣化が目に見えて分かってしまいます。
白い喪服を買取に出す際には、汚れや痛みがひどくなる前に、できるだけ早く査定に出しましょう。