宮古上布の買取価格の相場は?値段をあげるコツとは
宮古上布を買取に出した時の相場価格や、なるべく高値で売るコツなどについて紹介します。
買取に出すか検討中の方や、着物の買取店が近場になくて困っている方もぜひ一読してみてください。
日本の三大上布の1つ“宮古上布”
宮古上布の始まり
宮古上布の歴史は古く、16世紀に、ムアテガーラの妻である稲石刀自によって完成させられたと言われています。
ムアテガーラは琉球王国から明帝国へ行く官船に乗り組みますが、嵐に巻き込まれて彼の乗った船の舵を操る綱が切れてしまいます。
水練に達者だったムアテガーラは海へ飛び込み、嵐の中で綱を取り換えることに成功し、船は無事に王都・首里へと到着しました。
当時の琉球王国・尚永王はムアテガーラの功績を讃えて、彼を鎌倉時代で言う地頭にあたる役職“洲鎌与人”に任命します。
平民から一気に士族へと昇った彼は、下地真栄と呼ばれるようになり、彼の妻である稲石は出世を喜びました。
稲石は感謝の念をこめて、琉球王国へ綾錆布という麻織布を献上し、この綾錆布が宮古上布の始まりとされています。
重要無形文化財にもなった宮古上布
宮古上布は宮古島の伝統的工芸品に指定された他、文化庁指定の重要無形文化財にもなっています。
そのため、触れる機会はなくても宮古上布という言葉を耳にしたことがある人は少なくないでしょう。
宮古上布と聞くと、紺や青の着物をイメージする方がほとんどかと思いますが、近年は長財布やがま口、ポーチといった小物にも取り入れられ、伝統工芸品として親しまれています。
また、Tシャツやワイシャツ、デニムシャツ、プリーツワンピース、ジーンズなどの生地に宮古上布の原料である苧麻を用いて、宮古島の“島シャツ”として商品化されているものもあり、若い世代の人たちでも親しみやすくなっています。
発端は16世紀と昔ですが、現在でも宮古上布は形を変えて愛され続けています。
宮古上布を購入する場合の値段
宮古上布は完成までに非常に手間がかかるため、大量に生産されているわけではありません。
そのため、全体的に値段は高くなりがちで、反物だと120~200万円程の価格になります。
中古のリサイクル商品なら、10万円程で購入できる物もありますが、新品の着物は50万円前後が相場となっています。
高価に思えますが、多くの時間をかけて職人が手作業で作っていることを考えると、値段が吊り上がってしまうのも仕方のないことでしょう。
宮古上布は、宮古島市伝統工芸品センターでも着物や反物を購入することができます。
また、1つの宮古上布を仕上げるのにかなりの時間がかかるため、在庫を多く持っている店舗は少なく、デパートや呉服店で購入する場合は相場より更に高くなることもあります。
宮古上布の特徴と見分け方
宮古上布の特徴
宮古上布は名前の通り、宮古島に自生している苧麻と呼ばれるいらくさ科の多年生低木を原料糸としており、苧麻の繊維を1本ずつ手で裂いた細い糸によって織られているので通気性に優れています。
繊細かつ軽めの生地である一方で、親子三代と言われる程に、長持ちすることでも知られています。
宮古上布の糸は琉球藍によって藍染され、宮古上布のイメージである紺や青の色へと仕上がります。
糸の色が濃く染まるまで、藍に浸し、取り出しては空気に触れさせる、という工程を20回程繰り返しているため、褪色もしにくくなっています。
宮古上布は細かい絣模様にズレがないよう、針で模様のずれを修正しながら職人が時間をかけて織っていきます。
熟練の職人でも1日に織れるのは20㎝程と言われており、いかに手間がかかった作品なのかが分かります。
宮古上布の見分け方
宮古上布と同じ麻織物に類する上布は、越後上布を始めとして、能登上布、近江上布、八重山上布など、様々な物があります。
そのため、宮古上布と他の上布の区別がつきにくいと感じている人もいるでしょう。
藍染特有の色で識別することも可能のように思えますが、能登上布や近江上布でも、青や紺の生地が使われることはあるので、確実な方法ではありません。
着物が宮古上布かどうか見分ける、一番簡単な方法は、琉球染織の特徴である“耳じるし”の有無です。
袖の袂の内側を確認して、反物の端から白い絣糸が出ていたらそれが耳じるしです。
能登上布などには耳じるしが付いていないので、袂の内側を確認すれば簡単に見分けることができます。
宮古上布を買取に出すといくらで売れる?
宮古上布の買取価格の相場
上布の状態や、着物の仕立ての大きさによっても価格は変化しますが、宮古上布を買取に出した場合の相場価格は2~5万円程と言われています。
生産数が減少していることからも、希少価値は上がっているので、状態が良い物なら8万円程で買取されることも少なくありません。
なるべく高値を付けて貰う為にも、着物が宮古上布であることの証明になる証紙は必ず一緒に査定に出すようにしましょう。
また、宮古上布は三代もつと言われるほど丈夫な織物ですが、着ないことが分かっている場合は、早めに査定に出すに越したことはありません。
綺麗で状態が良い物ほど高値がつくので、なるべく早めに買取に出すように心掛けましょう。
宮古上布を高価買取して貰うには?
着物を高く売りたいなら、商品を良い状態で保つのはもちろんですが、売るお店の選択も重要になってきます。
リサイクルショップのように、着物を専門とする査定員がいない店舗に持ち込んでも、無形文化財や伝統工芸品であることを評価して貰えません。
正当な価格で買い取って貰いたいなら、リサイクルショップやネットオークションなどを利用して売るのではなく、着物を専門とする買取店を利用するようにしましょう。
呉服店や着物を売れる場所が近くにないという方でも、ネットの宅配買取サービスを利用すれば、全国どこにいても着物を売れます。
着物を扱う宅配買取店を利用すれば、知識がある査定員が値段をつけるので、価値に見合わない価格で買い取られる心配がないので安心です。
宅配買取店は送料や返送料が無料のため、余計な費用をかけずに着物を売れる他、万が一査定額に納得がいかなかった場合でも無料で返品して貰えます。
誰でも手軽に利用できるサービスなので、着物の買取方法を検討中の方は一度宅配買取を利用してみると良いでしょう。
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