大島紬は長い歴史を持つ

大島紬は鹿児島県の奄美大島で作られている平織の絹織物のことを指します。

奄美大島を本場とする着物のため、『本場大島紬』と呼ばれることも多いです。

大島紬の始まりは、唐から養蚕を導入したのがきっかけのため、歴史は1500年前から続いていると言われています。

しかし、盛んに生産し始めるようになったのは文禄4年頃のため、実際の始まりは江戸の初期と考えて良いでしょう。

古代手紬の製法技術が革新的に進歩したことをきっかけに、紡績織物工場の創立が推奨され、その地を治めていた薩摩藩への上納品にもなりました。

第二次世界大戦中は生産停止になりましたが、戦後には鹿児島に移住した奄美の方たちによって織られるようになりました。

1975年には伝統的工芸品に指定されるなど、大島紬は現在でも愛され続けています。

近年では、着物として着用するだけでなく、ワンピースやスカートなどにリメイクをして大島紬を楽しむ人も増えています。

買取市場でも人気の商品

先染手織りである大島紬には、後染めの着物のような豪華な色柄はありませんが、派手な着物とは異なる落ち着いた色合いが魅力的です。

高級紬の代表ながらも、正装として着られることはほとんど無く、いわゆるお洒落着として着用する機会が多いです。

本場大島紬は着物の中でも人気が高く、憧れを持っている人は少なくありません。

そのため、中古でも非常に需要は高く、買取価格の相場も高い傾向にあります。

人気商品である大島紬の買取に力を入れている店舗も多いため、整理したい着物がある場合は買取店へ査定に出すことをおすすめします。

せっかく大切に保管してきた着物を処分してしまうのは勿体ないので、買取に出して新たな持ち主のもとへと送り出しましょう。

大島紬の相場価格は何で決まる？

伝統的工芸品に指定された際に、大島紬には「絹100％であること」「先染めした糸を手織りする」といった条件が定められました。

その条件を満たしていない、機械織りの物や正絹100％でなく化学繊維の混ざった本絹で作られた紬などは、買取価格が下がってしまう傾向があります。

しっかりと条件に合致している本場大島紬なら、中古の物だと3万円前後の価格がつくことが多いです。

未使用の物や反物なら数十万円で買い取られることもあり、使用頻度や紬の状態によっても買取価格は大きく変化します。

また、経糸1240本に対しての絣糸の本数の単位である『マルキ』の数が多い物も、それだけ手間がかかっているので買取価格は高くなります。

本場大島紬であることを証明する為にも、査定の際は証紙を忘れずに提出するようにしてください。

証紙を見せることによって、大島紬の価値が証明されるため、高価買取が狙いやすくなります。

こんな大島紬は減額されてしまうかも？

どんなに高級な大島紬を買取に出したとしても、生地にカビが発生していたり、虫食いがある物は減額査定されてしまいます。

着物を綺麗な状態で保つためにも、定期的に虫干しなどをするように心掛けましょう。

また、カビ・虫食い・シミのような、目で見える減額ポイント以外に、商品の匂いもチェックされるので注意です。

防虫剤の樟脳の匂いや、持ち主の自宅の匂いが染みついてしまっている物も、査定にマイナスになることがあります。

匂いがついてしまう前に売るのがベストですが、既に匂いがしている商品は、陰干しなどを行って匂いを軽減させるのがおすすめです。

陰干し以外にも、スチームアイロンやクリーニングを利用する方法もあります。

スチームアイロンは自宅で手軽にできますが、スチームのかけすぎで生地が縮む可能性もあるので、不安な方は陰干しだけするようにしましょう。

大島紬を高価買取して貰うポイント

大島紬に限ったことではありませんが、着物を高値で売るなら証紙は欠かせない存在です。

証紙は着物の産地や品質を証明する重要な物なので、大切に保管するように心掛けましょう。

また、着物は綺麗な状態の物程高く売れるので、早めに査定に出すのがおすすめです。

着用せずに保管しておくだけでも、虫食いやカビなどが起こり着物の状態が劣化してしまうことは多いです。

コンディションの良い内に査定して貰うためにも、もう着ないことが分かっている大島紬はなるべく早く査定に出した方が良いでしょう。

大島紬は正確な査定を行うのが難しい商品のため、オークションやリサイクルショップを利用すると価値に見合わない価格で買い取られてしまうこともあります。

査定に出す際は、適当な店舗を使わずに着物を専門として扱っている買取店を利用するようにしてください。

利用する店舗によって着物の買取価格は大きく変わってしまうため、信頼できるお店を選ぶようにしましょう。